【春から初夏にかけて流行る病気】

春から初夏にかけての呼吸器感染症

呼吸器感染症の症状(咳、鼻水、発熱など=風邪症状)の多くは、ウイルス感染によって引き起こされます。ウイルスによる風邪症状というと、インフルエンザに代表される「冬」の感染症をイメージされる方が多いかもしれません。では「春〜夏」はどうでしょう。

春〜夏に流行する呼吸器感染症の原因ウイルスには、他にヒトメタニューモウイルス、ライノウイルス、エンテロウイルスなどがあります。今回は、ヒトパラインフルエンザウイルス3型について紹介します。

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ヒトパラインフルエンザウイルス感染症

ヒトパラインフルエンザウイルスは、インフルエンザという名前がついていますが、インフルエンザウイルスとは全く異なるウイルスです。

1950年代に発見されたウイルスで、発見後60年以上が経過しています。インフルエンザウイルスのように医療機関で使用できる診断補助薬がないこと、積極的な調査がおこなわれていないことから、日本におけるHPIVの検出、解析情報は多くありません。

一般的に乳幼児では、HPIVの感染により、発熱、鼻水、咳などから気管支炎・肺炎などの重症例まで幅広い症状を引き起こします。HPIVのには4つの血清型があり、このうち3型(HPIVー3)が最も多く検出されています。

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又、HPIV-3は、2歳までに60%が感染されると言われています。三歳未満が陽性者の約7割を占めています。

春から初夏の時期、特に乳幼児にとって、HPIVー3は、注意が必要な呼吸器感染症の原因の一つです。重症の場合、入院治療が必要となります。

成人も感染、集団感染の原因にも。

HPIVー3は、再感染することが知られています。成人も感染し、発症することがあります。また、HPIVー3は感染力が強いと言われており、保育所や幼稚園、病院、高齢者施設での集団感染の原因になることがあります。

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予防と治療について

ワクチンはありません。予防については、手洗いが大切です。治療については、特効薬はなく症状を和らげる対症療法が中心です。乳幼児、高齢者の方は、重症化し、入院治療が必要となることもあります。症状がひどくなりそうなときは、早めに医療機関を受診しましょう。

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