子供の三大夏風邪は皆さんご存知ですか。
夏になると子供を中心に患者数が増える感染症が、「ヘルパンギーナ」「手足口病」「咽頭結膜炎(プール熱)」のです。“子供の三大夏風邪”と呼ばれたりもしますが、例年6月から8月にかけてそれぞれの流行がピークを迎えますので、特長や注意点を確認して、事前に感染対策に備えましょう。
ここでは「手足口病」について説明します。
手足口病は、口の中や周りや手足の先に水ぶくれ状の発疹が現れる病気です。近年、数年に一度の頻度で乳幼児の間で大流行しています。感染後、どのような経緯をたどるのかみてみましょう。
感染 〜感染から軽快まで〜
感染経路は3つ!
2歳以下の乳児期に感染が多く、保育施設等で集団感染に注意が必要!
①飛沫(ひまつ)感染
感染者の「くしゃみや咳」と一緒に飛び出したウイルスを吸い込むことにより感染します。
②接触感染
感染者が手を触れたドアノブ、スイッチ、おもちゃなどに触れることによりウイルスが手に付着し、さらにその手で目や鼻、口などに触れることで、その部位の鼓膜から体内に入り感染します。
③経口感染
感染後は約2〜4週間にわたり便中にウイルスが排出されます。感染した便の粒子を吸い込んだり、トイレやおむつ替えの後で十分に洗えていない手で顔などに触れたりすることで感染します。
潜伏期(約2〜7日)
潜伏期は約2〜7日。感染してから数日の間は特に症状は現れません。
発症(約1週間)
手足の皮疹、口内炎などの症状が出現!
手のひら、足の裏や甲、口の中に2〜3mmの水ぶくれ上の発疹が現れます。口の中の発疹は、しばしば潰れて口内炎になります。また、腹痛、下痢に加え、発熱や鼻水などのかぜに似た症状を伴うこともあります。
発熱は発症者の約3分の1にみられますが、光熱が続くことはありません。
軽快
症状が治まってもウイルスの排出が続くので要注意!また、症状が重い場合は医療機関を受診する。
ほとんどの場合は1周間前後で軽快し、発疹のあとも残りません。ただし、症状が治まってもウイルスの排出は続き、感染から2〜4週間はウイルスが便の中に排出されて、感染源になるため注意が必要です。
基本的には症状の軽い病気ですが、まれに髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症などがおこる場合があります。特に乳幼児が感染した場合は、よっく観察してあげることが大事です。下記のような症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受信したほうが良いでしょう。
- 高熱が出る。
- 発熱が2日以上続く
- 嘔吐する
- 頭を痛がる
- 視線が合わない
- 呼びかけに応えない
- 呼吸が速くて息苦しそう
- 水分がとれずにおしっこがでない
- ぐったりとしている